個人再生と自己破産の違い
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個人再生と自己破産は、どちらも借金返済に困った時に利用する手続きです。
ですが手続きによってメリット・デメリット、利用条件、減額できる金額、向いている人などがそれぞれ異なります。
なので、
『どっちを利用するべきか悩む…』
『自分に合っている方を見つけたい』
と考えている方も多いと思います。
ですが結論からいえば、絶対にこっちが良いという事はありません。
状況・希望に応じて、どちらかの手続きを選択することになります。
そこで今回は、個人再生と自己破産の違いを分かりやすく解説しています。
詳しく説明していく前に、ざっくりポイントだけまとめてみました。
個人再生と自己破産ってどう違うの?
カンタンに言えば、
- 減額できる借金
- 手続き費用
- 利用条件
- 家や車が残せるか
- 一部の職業制限
個人再生は、自己破産と比べるとデメリットが少ない手続きです。
ですがその代わり、最低でも100万円ほど借金が残ります。
自己破産は、手間がかかる上に難易度も高いですし、費用は70万円ほどかかります。
ですがその代わり、300万円も400万円も減額できる可能性があります。
個人再生はどんな人が向いてる?
個人再生に向いているのは、
- 定期的な収入がある方
- ギャンブルや娯楽などの借金がある方
- 住宅ローンが残っている方
- 職業制限を受けたくない方
自己破産はどんな人が向いてる?
自己破産に向いているのは、
- 借金を全て帳消しにしたい方
- 定期的な収入がない方
- 住宅ローンが残っていない方
- 職業制限を受けても問題ない方
自己破産を利用すると、弁護士・司法書士などの士業、団体企業役員・執行役員・監査役・警備員・生命保険募集人・宅建主任者・風俗業管理者などの職業に一定期間就けなくなります。
個人再生と自己破産の違い一覧表
まず最初に、それぞれの違いを一覧表でまとめました。
少し長くなってしまったので、後で順番に説明していきます。
個人再生 | 自己破産 | |
---|---|---|
利用者数 | 年間約1万人 | 年間約7万人 |
内容 | 裁判所での認可 | 裁判所での認可 |
難易度 | 高い | 高い |
利用条件 |
|
|
手続き 期間 |
9~12ヶ月程度 | 6ヶ月~1年程度 |
手続き 費用 |
70万円程度 | 20万~80万程度 |
減額できる 金額 |
最大90%カット | 借金を全て帳消し |
ブラック リスト |
5~10年程度 | 5~10年程度 |
メリット |
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デメリット |
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|
免責不許可事由とは?
これはカンタンに言えば『自己破産を認めない理由』です。
免責不許可事由には、ギャンブル・浪費・転売・手続の虚偽または不正などが挙げられます。
一部の職業とは?
弁護士・司法書士などの士業、団体企業役員・執行役員・監査役・警備員・生命保険募集人・宅建主任者・風俗業管理者などの職業です。
自己破産をすると、これらの職業には一定期間就けなくなります。
自己破産の費用に大きな幅があるのはなぜ?
自己破産には
- 管財事件(様々な調査が必要な場合)
- 同時廃止(資産がほぼない場合)
もちろん法律事務所によっても費用は少し変わります。
借金を減らすという目的は同じでも、自己破産と個人再生にはこのような違いがあります。
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個人再生と自己破産を詳しく比較
ここからは、順に1つずつ見ていきます。
利用者数について
個人再生 | 自己破産 | |
---|---|---|
利用者数 | 年間約1万人 | 年間約7万人 |
年間利用者数をみると、個人再生よりも自己破産を利用する方が多いです。
自己破産の方が多い理由として考えられるのは、やはり返済生活から解放されるからでしょう。
自己破産の場合は、
- 借金理由によっては認められない
- 一部の職業制限がある
- 住宅や車を手放す可能性が高い
こういうデメリットがありますが、これらに該当しないか、該当してでも借金を帳消しにしたい方が多いんだと思います。
逆に個人再生を利用すると、自己破産よりも手続き費用がかかります。
しかも個人再生は借金を帳消しには出来ないので、それが年間利用者数の差を生んでいるようです。
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手続きの内容・難易度・利用条件について
個人再生 | 自己破産 | |
---|---|---|
内容 | 裁判所での認可 | 裁判所での認可 |
難易度 | 高い | 高い |
利用条件 |
|
|
手続き内容・難易度については、両者でほぼ違いはありません。
個人再生では主に、
- 返済困難な状態になっているか
- 継続的な収入はあるか
- 返済出来る可能性があるか
という事を判断されます。
減額したとしても借金は残るので、個人再生では返済能力をしっかりチェックされます。
ただしアルバイト・パート収入なども『継続的な収入』として認められる事が多いです。
そして自己破産では、
- 返済不能な状態になっているか
- 免責不許可事由に該当するか
という事を判断されます。
ただし免責不許可事由に該当していても、事情によっては自己破産が認められることがあります。
借金に真摯に向き合って反省しているのであれば可能性が高まるので、詳しくは専門家にも相談してみてください。
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手続き期間や費用について
個人再生 | 自己破産 | |
---|---|---|
手続き 期間 |
9~12ヶ月程度 | 6ヶ月~1年程度 |
手続き 費用 |
70万円程度 | 20万~80万程度 |
個人再生は、依頼から9~12ヶ月程度かけて行います。
法律事務所に依頼して裁判所へ申立するまで3~6ヶ月、裁判所で6ヶ月ほどかけて手続きが進んでいきます。
途中で履行可能性テスト(返済能力を確かめるテスト)が行われることもあって、この有無によっても手続きにかかる期間は変わります。
個人再生にかかる期間については、こちらの記事に詳しくまとめています。
ちなみに個人再生の費用はトータル70万円程度となっています。
個人再生では返済能力の有無を細かく調査するので、自己破産より高くなる事が一般的です。
そして自己破産は、依頼から6ヶ月~1年程度で完了するのが一般的です。
ただし自己破産の手続きには、
- 管財事件(様々な調査が必要な場合)
- 同時廃止(資産がほぼない場合)
という2種類があるので、裁判所がどちらを選ぶかによっても期間が異なります。
手続きにかかる期間は、管財事件なら1年程度、同時廃止なら6ヶ月程度となります。
ちなみに同時廃止は資産20万円以下の場合に選択される事が多く、利用者の6~8割ほどが『同時廃止』となっています。
そして自己破産にかかるトータル費用は、
- 管財事件:50~80万円
- 同時廃止:20~50万円
同時廃止は手続きがカンタンになっているので、その分費用も抑えられます。
減額できる金額について
個人再生 | 自己破産 | |
---|---|---|
減額できる 金額 |
最大90%カット | 借金を全て帳消し |
個人再生では、借金を大幅にカットする事が可能です。
個人再生での減額基準は
と3種類ありますが、借金残額による基準は以下のようになっています。
借金残額 | 手続き後の借金 |
---|---|
100万円未満 | 減額なし |
100~500万円 | 100万円 |
500~1500万円 | 5分の1 |
1500~3000万円 | 300万円 |
3000~5000万円 | 10分の1 |
あくまでも目安ですが、
- 借金400万円⇒100万円
- 借金900万円⇒160万円
これぐらい大幅な減額ができる可能性もあるという事です。
個人再生の減額効果については、こちらの記事に詳しくまとめています。
そして自己破産では、今ある借金全てを帳消しに出来ます。
そのため裁判所の許可さえ下りれば長い返済生活から解放されます。
ただし自己破産を利用しても、
- 税金
- 下水道料金
- 社会保険料
- 養育費
- 罰金
- 従業員の給料
このようなお金については返済義務が残ります。
これらは『借金』ではないので、自己破産をしても帳消しにはなりません。
メリットについて
個人再生 | 自己破産 | |
---|---|---|
メリット |
|
|
個人再生は借金をゼロには出来ないものの、制限は自己破産よりも少ないです。
ローンが残っていても車・住宅を残せる可能性がありますし、ギャンブル・浪費などによる借金でも利用できるのは大きな魅力です。
また、個人再生をしたからといって警備員・生命保険募集人・宅建主任者などの職業に就けないという制限もありません。
そして自己破産のメリットは2つです。
手続きにかかる費用は個人再生と同等かそれ以下ですし、借金がゼロになるのはやはり大きいです。
そのため、自己破産が認められれば返済生活からキッパリ抜け出す事ができます。
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デメリットについて
個人再生 | 自己破産 | |
---|---|---|
デメリット |
|
|
個人再生も自己破産も、大きなメリットがある分デメリットも多いです。
どちらにも共通するデメリットは、
- 官報に掲載される
- 難易度が高い
- ブラックリストに載る
- 周囲にバレる可能性が高い
- 保証人に迷惑がかかる
この5つです。
官報に掲載されてもあまり影響がありませんが、ブラックリストへの登録と保証人への迷惑は無視出来ません。
ブラックリストに載るとクレジットカード・ローン・保証人・賃貸契約などに影響しますし、これは5年~10年間ほど続きます。
そして保証人がいる借金があれば保証人に返済義務が移るので、多くの借金を背負わせる事になります。
状況次第では分割払いも認められますが、大きな迷惑をかけることには違いありません。
これらのデメリットについては、以下の記事に詳しくまとめています。
そして個人再生だけにあるデメリットは、
- 手続きにかかる費用が高い
- 借金はゼロにならない
この2つです。
これは先ほどまで説明していたとおりです。
そして自己破産だけにあるデメリットは、
- 家や車を残せない可能性が高い
- 借金の理由を問われる
- 職業制限を受ける
- 原則7年間は自己破産が出来ない
この4つです。
車が残せるとしても資産価値が20万円以下のものだけですし、ギャンブル・浪費などによる借金では認められない可能性が高いです。
さらに職業制限を受けるほか、1度利用すれば原則7年間はもう一度自己破産をする事ができません。
個人再生が向いている方
個人再生を利用した方が良いのは
- 定期的な収入がある方
- ギャンブルや娯楽などの借金がある方
- 住宅ローンが残っている方
- 職業制限を受けたくない方
こういう方です。
借金を大幅に減額したとしてもゼロにはならないので、個人再生は返済能力がある方だけが利用する事ができます。
ただし借金の理由は問われませんし、住宅ローンを組んでいる状態でも利用可能です。
職業制限もないので、弁護士・司法書士などの士業、団体企業役員・執行役員・監査役・警備員・生命保険募集人・宅建主任者・風俗業管理者などの職業に就いている方でも安心です。
自己破産が向いている方
自己破産を利用したほうが良いのは、
- 借金を全て帳消しにしたい方
- 定期的な収入がない方
- 住宅ローンが残っていない方
- ギャンブルや娯楽による借金がない方
- 職業制限を受けても問題ない方
こういう方です。
自己破産は今の借金を全てゼロに出来るので、ギャンブルや娯楽が原因の借金さえなければ利用する事が可能です。
ただし税金・罰金・社会保険料などは免除にならないので注意して下さい。
⇒弁護士ナビ
まとめ
少し長くなったので、最後におさらいしておきます。
個人再生と自己破産ってどう違うの?
カンタンに言えば、
- 減額できる借金
- 手続き費用
- 利用条件
- 家や車が残せるか
- 一部の職業制限
個人再生は、自己破産と比べるとデメリットが少ない手続きです。
ですがその代わり、最低でも100万円ほど借金が残ります。
自己破産は、手間がかかる上に難易度も高いですし、費用は70万円ほどかかります。
ですがその代わり、300万円も400万円も減額できる可能性があります。
個人再生はどんな人が向いてる?
個人再生に向いているのは、
- 定期的な収入がある方
- ギャンブルや娯楽などの借金がある方
- 住宅ローンが残っている方
- 職業制限を受けたくない方
自己破産はどんな人が向いてる?
自己破産に向いているのは、
- 借金を全て帳消しにしたい方
- 定期的な収入がない方
- 住宅ローンが残っていない方
- 職業制限を受けても問題ない方
自己破産を利用すると、弁護士・司法書士などの士業、団体企業役員・執行役員・監査役・警備員・生命保険募集人・宅建主任者・風俗業管理者などの職業に一定期間就けなくなります。
個人再生と自己破産の具体的な違いは?
こちらは一覧表にまとめました。
個人再生 | 自己破産 | |
---|---|---|
利用者数 | 年間約1万人 | 年間約7万人 |
内容 | 裁判所での認可 | 裁判所での認可 |
難易度 | 高い | 高い |
利用条件 |
|
|
手続き 期間 |
9~12ヶ月程度 | 6ヶ月~1年程度 |
手続き 費用 |
70万円程度 | 20万~80万程度 |
減額できる 金額 |
最大90%カット | 借金を全て帳消し |
ブラック リスト |
5~10年程度 | 5~10年程度 |
メリット |
|
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デメリット |
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|
どちらも借金を減らすための手続きですが、その効果・メリット・デメリットは大きく違います。
人によって合う・合わないがあるので『自分に合っている手続きはどちらなのか』を一度考えてみて下さい。
ただこれは、専門家の意見を聞けば考えが変わるかも知れません。
なので、
- 自分に合っている手続きを検討する
- 無料相談で専門家と話をしてみる
- どちらの手続きを利用するか選ぶ
このようにしてじっくり考えてみて下さい。
この減額診断シミュレーターは全国対応している事務所が運営しているので、利用してみてよければそのまま依頼する事も出来ますよ。
ただブラックリスト状態でも、中にはお金を貸してくれる可能性が高い消費者金融もあります。
以下の記事に詳しくまとめているので、よければ参考にして下さい。
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