個人再生のデメリット
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個人再生は、今ある借金を大幅に減額できる手続きです。
ギャンブルや遊びなどの理由で作った借金でも問題ないですし、自宅・車を残せる可能性も十分あります。
ですが、個人再生にもデメリットはあります。
『具体的にどんなデメリットがある?』
『カードとかはいつから使えるようになる?』
このように色んな不安を感じている方がほとんどだと思うので、今回は個人再生のデメリットと影響を受ける期間についてまとめていきます。
まずは、Q&A形式でざっくりと。
どんなデメリットがある?
個人再生には、
- 手続き費用が70万円程度かかる
- 保証人に迷惑がかかる
- クレジットカードが使えない
- ローンが組めない
- 新たにお金が借りられない
- スマホの分割払いができない
- 一部の賃貸物件が契約できない
- 官報に掲載される
これらのデメリットがあります。
デメリットの影響はいつまで続く?
デメリットは借金完済したあと5年~10年ほど続きます。
これは個人再生をしたことによって『ブラックリスト』に登録されるからです。
5年~10年と幅がある理由については、後ほど詳しくまとめます。
保証人に迷惑をかけない方法は?
個人再生をする以上、どうしても迷惑がかかってしまいます。
また債権者(貸金業者など)によっては、一括請求を求められる事もあります。
ただし、個人再生ではなく任意整理を利用すれば迷惑をかけずに済みます。
任意整理については、デメリットの所で詳しくまとめています。
では、実際に詳しくみていきましょう。
1.個人再生を利用するデメリットは8つ
個人再生を利用する場合は、
- 手続き費用が70万円程度かかる
- 保証人に迷惑がかかる
- クレジットカードが使えない
- ローンが組めない
- 新たにお金が借りられない
- スマホの分割払いができない
- 一部の賃貸物件が契約できない
- 官報に掲載される
- 保証人になれない
これらのデメリットがあります。
では、順番に1つずつ説明していきます。
<1.手続き費用が70万円程度かかる>
個人再生を利用するには、
- 裁判所への費用
- 弁護士への費用
- その他実費
これらの費用がかかります。
費用は裁判所によっても法律事務所によっても若干前後しますが、目安としては合計70万円ほどとなっています。
もっとお金のかかる法的手続きもあるのでしょうが、ハッキリ言って高いですよね。
でも、裁判所への費用は分割払いできる所もありますし、費用の分割・後払いを認めている法律事務所も多いです。
また国が設置した機関「法テラス」を利用すれば、弁護士費用を立て替えてもらう事も可能です。
※個人再生の費用についてはこちらに詳細をまとめています。
費用は確かに高いですが、個人再生を利用すればそれ以上に借金を大幅減額することが出来ます。
借金が500万円あっても100万円程度にまで減額できるので、費用以上に借金を減らす事は難しくありません。
70万円支払って400万円減額できるなら、かなりメリットが大きいですよね。
また個人再生を依頼した時点で、借金返済も一旦ストップします。
そして裁判所の認可を受けられるまで約6ヶ月~1年ほどあるので、それまでは返済せずにお金を貯めていく事もできます。
⇒弁護士ナビ
<2.保証人に迷惑がかかる>
賃貸契約・ローン・借入・奨学金などを契約するときに保証人・連帯保証人を立てた方もいらっしゃるでしょう。
個人再生をすると、あなたと債権者(貸金業者など)の間にある借金は減額できます。
ですが、債権者は保証人・連帯保証人に対しては借金の残りを一括請求する事が可能です。
※奨学金で機関保証を利用している方は例外です。
返済が難しければ分割払いが認められるケースも多いですが、どちらにしても保証人・連帯保証人には大きな迷惑がかかってしまいます。
そのため個人再生をする場合は、迷惑をかけてしまう保証人・連帯保証人に必ず事前に伝えておく必要があります。
これを伝えずに個人再生してしまうと、大きなトラブルに発展する可能性が高いです。
もしくは、保証人つきの借金を対象外に出来る「任意整理」を利用するのもアリです。
任意整理では、個人再生と違って
- ○○消費者金融:返済する
- ✕✕カード会社:返済しない
という事が可能です。
つまり保証人付きの借金だけは何とか自力で返済して、それ以外の借金は減額するという事が可能になります。
個人再生と比べると減額できる借金は小さいですが、それでも借金問題を放置するよりは遥かにマシです。
なので保証人付きの借金を抱えている方は、
- 個人再生をして迷惑がかかってしまう事を謝る
- 任意整理に切り替える
この2つのどちらかを選ぶようにしてください。
<3.クレジットカードが使えない>
これから紹介する3~7のデメリットについては、「ブラックリストに載る』ことで起こるデメリットです。
ブラックリストに載るという事は、金銭面での信用が無くなる事を意味します。
そのため、料金を後払いにする『クレジットカード』を使ったり新たに作ることが出来なくなります。
※あなたの家族は問題なく利用する事ができます。
その代わり『デビットカード』を利用することでデメリットを抑えられます。
デビットカードは利用した瞬間に銀行口座から引き落としがされるので、クレジットカードと違って使いすぎる心配がありません。
なので個人再生をした後でも気軽に作れますし、ネットショッピングや公共料金・店頭での支払いも可能となります。
⇒弁護士ナビ
<4.ローンが組めない>
ブラックリストに載っていると、ローンを新たに組むことが出来ません。
どんなに少額でも頭金が多くても同じなので、ブラックリストから情報が削除されるまでは待つ必要があります。
ただこれも先ほどと同じで、家族が組んでいるローン・家族が組む予定のローンには全く影響がありません。
<5.新たにお金が借りられない>
ブラックリストに載っていると、新たにお金も借りられません。
これもローンと同様に、借入額や返済期限に関係なく断られる事になります。
<6.スマホの分割払いができない>
スマホの分割払いをするにも信用が必要となるので、個人再生をすると分割払いも出来なくなります。
そのためスマホを今後購入する際は、
このような対処が必要となります。
格安スマホなら月額料金も2,000円~3,000円ほどと安いので、出費を抑える意味でも乗り換えるのはアリです。
<7.一部の賃貸物件が契約できない>
賃貸契約をする時は、家賃保証会社がセットになっているケースが多いです。
ただ家賃保証会社の中にはブラックリストを確認する会社もあります。
それが『信販系』と呼ばれる家賃保証会社です。
こういった家賃保証会社がセットになっている物件は契約を断られるので、それ以外の賃貸物件を探して契約をする必要があります。
また不動産会社の方に伝えれば、それも踏まえて借りられる物件を紹介してくれます。
⇒弁護士ナビ
<8.官報に掲載される>
官報とは、国が発行している機関紙です。
そのため、国で決まった内閣・最高裁判所の人事異動や法律・政令の公布などに関する情報が掲載されています。
そして個人再生を利用すると、官報にあなたの氏名・住所が掲載されます。
とはいえ、官報が原因で周囲にバレる可能性は限りなく低いです。
そもそも官報なんて職業上見ている方を除いて誰も見ていない・知らないからです。
※官報については、こちらの記事に詳しくまとめています。
2.ブラックリストに載るのは5年~10年間
先ほどは個人再生をした場合のデメリット全てをまとめましたが、ブラックリストに載ることで起こるデメリットは以下の5つです。
- クレジットカードが使えない
- ローンが組めない
- 新たにお金が借りられない
- スマホの分割払いができない
- 一部の賃貸物件が契約できない
ただこのデメリットは、借金完済後5年~10年ほどで終わります。
『ブラックリストに載る』というのは『信用情報機関に事故情報が登録される』という事です。
信用情報機関には、あなたにお金を貸していいか判断するための情報が登録されます。
個人再生を利用すれば、信用情報機関にはそれも登録されます。
そして銀行・カード会社・一部の家賃保証会社などは信用情報機関に加盟しているので、ここに事故情報が載ると審査に通らなくなります。
ただこの事故情報も、借金完済してから5年~10年で消えます。
これだけ幅があるのは信用情報機関によって登録期間が違うからです。
信用情報機関は3つありますが、
- 株式会社シー・アイ・シー(CIC):5年
- 株式会社日本信用情報機構(JICC):5年
- 全国銀行個人情報信用センター(KSC):10年
このように登録期間が違います。
ちなみに私が利用している「ジャックスカード」は、CICに加入していました。
つまりジャックスカードなら、5年後にまた作れる可能性があるということです。
また司法書士法人みつ葉グループの公式サイトによると、主要クレジットカードと信用情報機関は以下のとおりです。
楽天カードは審査が緩いと言われてはいますが、KSCにも加盟しているので10年ほどは新たに作ることが出来ないようです。
こういう情報を調べる場合は、公式サイトの一番下に『○○が加入する指定信用情報機関について』といったようなリンクがあると思うのでチェックしてみてください。
⇒弁護士ナビ
3.個人再生前にしてはいけない注意点3つ
個人再生のデメリットは今まで見てきたとおりですが、次は個人再生をするときの注意点を見ていきましょう。
それは、
- 個人再生前にお金を借り入れする
- 裁判所の許可なく一部の借金を返済する
- 一部の借金を隠す
この3つです。
<1.個人再生前にお金を借り入れする>
これから個人再生をするという時に、新たな借入をするのは避けましょう。
そういった履歴・状況があると、裁判所が個人再生の手続きを認可してくれない可能性が高いです。
あくまでも個人再生が認められるのは、
『収入はあるけど借金が多くてどうしても返済できない…』
というスタンスの時だけです。
それを自ら増やしてしまうと認可されない可能性が高まるので、個人再生をすると決めたら新たな借入を避けましょう。
<2.裁判所の許可なく一部の借金を返済する>
個人再生は、原則として全ての債権者を平等に扱う義務があります。
なので、
- ○○消費者金融:返済する
- ✕✕カード会社:返済しない
という事は出来ません。
例えば、
『消費者金融の借金は保証人がいるから、そこだけでも返済したい』
という事は認められていません。
ただし、住宅ローンだけは「住宅ローン特約」があるので例外です。
住宅ローンについては、その返済だけ継続する事が認められています。
※住宅ローンについては、こちらの記事に詳しくまとめています。
<3.一部の借金を隠す>
借金している事自体を隠すのも、避けるべきです。
それを隠して手続きを進めても、経済状況・借入状況を調査した時に必ずバレます。
それがバレた時点で、
- 弁護士から依頼を拒否される
- 個人再生の手続きが認可されない
こういった事が起きるので、十分注意してください。
4.まとめ
少し長くなりましたが、最後に個人再生のデメリットについておさらいしておきます。
どんなデメリットがある?
個人再生には、
- 手続き費用が70万円程度かかる
- 保証人に迷惑がかかる
- クレジットカードが使えない
- ローンが組めない
- 新たにお金が借りられない
- スマホの分割払いができない
- 一部の賃貸物件が契約できない
- 官報に掲載される
これらのデメリットがあります。
デメリットの影響はいつまで続く?
デメリットは借金完済したあと5年~10年ほど続きます。
これは個人再生をしたことによって『ブラックリスト』に登録されるからです。
5年~10年と幅がある理由については、後ほど詳しくまとめます。
保証人に迷惑をかけない方法は?
個人再生をする以上、どうしても迷惑がかかってしまいます。
また債権者(貸金業者など)によっては、一括請求を求められる事もあります。
ただし、個人再生ではなく任意整理を利用すれば迷惑をかけずに済みます。
任意整理については、デメリットの所で詳しくまとめています。
個人再生前に注意することは?
それは、
- 個人再生前にお金を借り入れする
- 裁判所の許可なく一部の借金を返済する
- 一部の借金を隠す
この3つです。
これらをしてしまうと、個人再生の認可を受けられなかったり、弁護士が依頼を続行してくれない可能性があります。
このように、個人再生にはいくつものデメリットがあります。
クレジットカードやスマホの分割払いについては対処できますしローンについても家族名義なら問題ありません。
ても個人再生をする事で保証人に大きな迷惑をかけてしまいます。
ただし、それは個人再生をしなくても結果的に同じことです。
個人再生をせずにきちんと完済できれば良いですが、現状難しそうだからこの記事を読んでいるんだと思います。
そして返済できなければもっと色んなデメリットが降りかかります。
例えば、
- 返済が遅れたせいでさらに借金が増える
- 返済が遅れて保証人に迷惑がかかる
- 返済が遅れてブラックリストに載ってしまう
- ローンが返せなくて家や車がなくなる
- もっと精神的に追い詰められて仕事でのミスが増える
- 催促状・電話のせいで家族に借金のことがバレる
こういったデメリットです。
借金返済が2ヶ月以上遅れると保証人に請求される可能性があります。
しかも個人再生をしないなら他の借金も減ってないので、より苦しくなるだけです。
それなら、個人再生によるデメリットを分かった上で、
- 迷惑がかかってしまう事を謝って個人再生をする
- 任意整理に切り替える
このどちらかを選ぶ方がずっと賢い選択だと思います。
実際に法律事務所を利用するには勇気もいりますが、行ってみると意外と普通の雰囲気で、親切にこちらの話を聞いてくれました。
法律事務所ってどうしても固いイメージがありますが、あちらも私達の話を聞いて解決するのが仕事だから、よく考えれば話しやすいのは当たり前なんですよね。
『このままじゃダメになる』
『この返済生活をもう続けたくない』
と感じている方は、まず法律事務所の無料相談を利用してみてください。
いきなり法律事務所に行くのがちょっと…という場合は、まず電話かメール相談を使うのもアリです。
これなら忙しくても利用できるし、法律事務所に入る所を誰かに見られる心配もありません。
私も最初は、減額診断シミュレーターを使って電話相談をしました。
私が利用したシミュレーターは、4つの質問に答えておけばその後の相談がスムーズに進みます。
匿名だったし無料相談が出来るので、最初のステップとして良いのではないでしょうか。
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